「ただ転職のいろはを『知らないだけ』の人もいます。話をすると、素直に実践する求職者は多いと感じます」

 売り手市場の人材不足の中、企業は100%理想の候補者を獲得するのは難しくなっている。人材会社のネオキャリア広報の橘兼太郎さん(28)は、採用基準のポイントをこのように提言する。

「既存のスキルと、後から習得するスキルを明確に分けること」

 異業種転職が増えている中、キャバクラのボーイだった26歳男性が電気系企業の経理に転職した事例もある。企業側が、前職でのマネジメントスキルを買ったのだ。社内に新しい風を吹かせるイノベーターシップを求める企業は増えてきていると前出の岡田さんは言う。岡田さん自身、エン・ジャパンに転職する際は、私服の自撮り写真で応募した。その心は、それを認めてくれる企業にしか行きたくないと思ったからだ。

「自分の個性を大事にしたいというポリシーがあれば、それを認めてくれる企業に応募すると良いと思います」(岡田さん)

(編集部・小野ヒデコ、高橋有紀)

AERA 2017年5月22日号