「最初は楽しいものですが、すぐに家族と離れている不便さを感じるようになりました」

 昨年の地震の時は家族と一晩連絡が取れず、最終的には自宅近くに戻る形での再転職を決断した。キャリアを重ねたうえでの転職は、自分のやりたいことや希望を明確に見定めてから決断しないと後悔する、ということなのだ。IT業界で起業後、一転してタクシー業界に移った金高恩さん(40)は、会社を選ぶ基準は「その時々で一緒に働きたい人のもとで、やりたいことをすること」と語る。

「自分がやりたいことをいろいろな人に話すから、そういう縁が巡ってくるのかもしれません」

●目立つ地方への転職

 最近増えているのが、「地方への転職」だ。大手IT会社から愛媛のタオルメーカーの東京オフィスに転じ、広報などを担当する牟田口武志さん(39)は断言する。

「今は中央に人材が集中しすぎている。地方でできる仕事はまだたくさんあることに皆さん気づいてほしいと思っています」

(編集部/福井洋平、小野ヒデコ)

AERA 2017年5月22日号

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福井洋平

福井洋平

2001年朝日新聞社に入社。週刊朝日、青森総局、AERA、AERAムック教育、ジュニア編集部などを経て2023年「あさがくナビ」編集長に就任。「就活ニュースペーパー」で就活生の役に立つ情報を発信中。

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