●人前に立つエネルギー

 スーパーアイドルグループとして、ライブでは一度に5万人もの観客の前に立ち、熱狂させている彼ら。そんな3人にとって、「劇場で芝居をする」とはどういう意味を持つのか。

大倉:お客さんの前に立つということは、すごくエネルギーを使うんです。人数が多いとか少ないとかは関係ないよね。背負うものは、ほとんど同じだから。

横山:ほんまそうやな。お客さんを楽しませるということに違いはないもん。5万人のライブも大変だけど、舞台はそれとはまた違うカロリーの使い方をするし。俺は舞台作品をやるときは、いつも「挑戦」やと思ってる。自分との闘いやね。

安田:俺も毎回、腹くくって舞台に立ってるよ。

横山:やっぱそうよな! 本番が始まってしまったら、間違えようがなにしようが、板の上に立ち続けるしかない。こんな恐ろしいことないですよ。

安田:舞台に立つ以上は、中途半端なものは絶対できないからね。芝居一本でやっている役者さんたちもたくさんいらっしゃるなかで、ありがたいことにこんな機会をいただいたのだから、本気で腹をくくって舞台に立つしかないんだよ。

横山:前に舞台をやったときは、千秋楽間際になったらなんだか寂しくなっちゃった。なんなんやろね(笑)。一度舞台に立つとやめられなくなるのかな。

安田:やっぱり刺激が強いから癖になるのかもね。

横山:よくも悪くも刺激は強いよね。だって怖いですもん、やっぱり。役をつかみきれるかという不安、本当に本番をやりぬけるかという不安。だからこそ、「よかったよ」と言ってもらえた時の達成感は半端じゃなくて。

●人生を変える存在に

安田:僕は、たった数時間の本番だけど、観ているお客さんにとって一生忘れられない時間になってほしいなといつも思ってる。僕が演じたキャラクターのセリフや歌声が、観た方たちの人生を変えるような存在になれたらって。物語や世界観を役者である自分の体に落とし込んで、「コージにしか見えなかった」「コージが生きてた」って思ってもらいたい。

大倉:なるほどね。僕にとっても舞台はすべてが挑戦やなと思うよ。他の仕事とは別物。これからの稽古で魅力的な役者になれるように努力したいし、横山くんとヤスが同じ時期に別の舞台で頑張っていることも心強い。それぞれの課題をそれぞれが自分で越えていって、関ジャニ∞の活動だったり、また違う作品として花を開かせる糧になっていくんだろうな。

横山:挑戦できることはありがたいけど、簡単には「やりたい」と言えない重みが舞台にはあるよね。そんな腹をくくった3人の芝居をぜひ観てほしいし、僕も2人の作品を観に行きたい!(笑)

(構成/ライター・まつざきみわこ)

AERA 2017年5月1-8日合併号