《どんな悲しみも負けないように いつも微笑み集めて》

「ひまわり」の、このサビの部分に思いを込めた。

 田さんは言う。

「震災で傷つき、つらいこともあるけど、前に進んでいきたい」

 先に紹介した安藤さんは、4月から仙台市内の大学に通い教員を目指す。この日、観客席から大きな拍手を送った安藤さんは、ニッコリ笑うとこう言った。

「震災での体験を生かせるよう、大学では防災教育なども学んで、将来は被災地のために貢献していきたいです」

 ひまわりのように前を向き歩く若者たち。それぞれの場所で、いつかきっと、大輪の花を咲かせるに違いない。

(編集部・野村昌二)

AERA 2017年5月1-8日合併号

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野村昌二

野村昌二

ニュース週刊誌『AERA』記者。格差、貧困、マイノリティの問題を中心に、ときどきサブカルなども書いています。著書に『ぼくたちクルド人』。大切にしたのは、人が幸せに生きる権利。

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