後半開始早々、勝利を大きく引き寄せるチーム2点目のゴールを決めた今野 (c)朝日新聞社
後半開始早々、勝利を大きく引き寄せるチーム2点目のゴールを決めた今野 (c)朝日新聞社

 ヴァイッド・ハリルホジッチ監督が「W杯に行くために決定的な試合になるかも」と話していた大一番。だが終わってみれば無失点の快勝。死角はあるのか。

 サッカー日本代表は23日(現地時間)、敵地でW杯アジア最終予選のUAE戦に臨み、2-0と勝利した。UAEは昨年9月、ホームであった最終予選初戦で1-2と逆転負けを喫した相手だ。連敗すればW杯出場に黄信号がともる状況だったが、見事に返り討ち。首位の座こそ得失点差でサウジアラビアに譲ったものの、出場圏内の2位をキープした。3位オーストラリアとの勝ち点差も3に広げ、6大会連続の本大会出場へ前進した。

●代役ベテランが躍動

 この日の会場は、これまで多かった海沿いのドバイやアブダビではなく、内陸の砂漠地帯にあるUAE第2の都市アルアイン。19時30分(現地)のキックオフ時の気温は27度だったが、猛暑に慣れた日本代表にすれば大きな問題ではなかった。また、2万5千人収容のハッザーア・ビン・ザーイド・スタジアムには白い民族衣装をまとったUAEサポーターが押し寄せたが、殺気立った雰囲気は皆無。試合終盤には敗戦を覚悟し、足早にスタジアムを後にする姿も目立つなど、“アウェーの洗礼”に悩まされることもなかった。

 キャプテンの長谷部誠が直前に右ひざを負傷し離脱した中、勝利に貢献したのは、代表出場が2試合だった久保裕也と、およそ2年ぶりの代表復帰となったベテランの今野泰幸だった。

 23歳の久保は、所属のACミラン(イタリア)で出場機会が少ない本田圭佑に代わって右FWで出場。11月のサウジアラビア戦に続く先発出場となった。キレのいい動きで14分、角度のないところから貴重な先制ゴールを挙げ、後半にも今野の2点目をアシストする活躍だった。

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