瀧本哲史が語る「東大法学部はルールを創る側になる人が来るところ」

AERA#東大
 日本の学歴社会の頂点に君臨してきた「東大法学部」。政財官に人脈を伸ばし、国を支えてきたえたエリートたちの母体だ。良くも悪くもスタイルを変えてこなかった「象牙の塔」にも、時代の激変の波は押し寄せる。偏差値序列社会は終わるのか。かつて「砂漠」と称された東大法学部はいま、脱皮の時を迎えている。AERA 2017年3月27日号では、東大法学部を大特集。

 時代の流れに伴い、東大法学部の卒業後の進路にも、少しずつ変化が生じているという。東大法OBである瀧本哲史さん(京都大学産官学連携本部イノベーション・マネジメント・サイエンス寄附研究部門客員准教授)に、今後の東大法学部の進路について、話を伺った。

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 文Iから法学部に進まない学生や、卒業後に官僚や法曹にならない人が増えていることをもって「東大法学部は凋落した」などと批判されますが、私は進路が多様化しただけだと思います。

 かつて多くの法学部生は、文系最難関という理由でなんとなく入学し、進路も官僚や裁判官、検事、弁護士ぐらいしかイメージを持てなかったのです。しかし世の中は変わり、これらの仕事が必ずしもベストな選択ではなくなりました。また学内でも10年ほど前から、社会で活躍する卒業生と学生が交流するイベントが、大学主催も含め盛んになり、キャリアの選択肢が広がっていることに学生が気づき始めた。だから法学部以外に進む人や、逆にロースクールなどに理系も含め他から入ってくる人も増えているのです。

 法学部の授業はつまらないと言われますが、大半の学生にとってレベルが高過ぎるだけのこと。3分の1の学生は、3回入試をしたら1回は合格できない、いわば「たまたま東大生」ですし、法学はそんなに簡単な学問ではありません。一斉型の授業を変えたところで、大半の人は簡単にはついていけない。でも一握りのトップオブトップの学生にとって東大法で学ぶ法学はエキサイティングなはずです。彼らは大学に残るか、官僚、弁護士、あるいは企業の法務部でも、新しくルールを「創る側」になる人たちです。

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