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木村草太「東大法学部の2割は授業から落ちこぼれる」

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木村草太(きむら・そうた)/1980年生まれ。東大法学部卒業後、同大助手を経て現在は首都大学東京教授(憲法学) (c)朝日新聞社

木村草太(きむら・そうた)/1980年生まれ。東大法学部卒業後、同大助手を経て現在は首都大学東京教授(憲法学) (c)朝日新聞社

 その中でも東大法学部は、受け身の人間にはあまりいい環境とはいえないと思います。私たちが学生のころは黒板に話す内容が書いてあるだけで「サービスがいい」という評価でした。

 興味がある人、熱心な人だけが授業に出て、その他多くの学生はその人のノートを見て試験を受けるのが普通。一方、私の知人の東大教員が「最近の学生はみんな授業に出てくる」と驚いていたことがあります。「授業がつまらない」という感覚は、学生が大学の授業から何かを学ぼうとするようになってきたことの表れではないでしょうか。

 法学には特にハイレベルな文章の読解力が必要。東大法学部の2割は授業から落ちこぼれるという話も聞きました。向いていない人が別の学問分野を選ぶというのは妥当だと思います。ゼミやレポートは確かに大切ですが、強制されてやることは身につきません。高等教育の段階で必修化の必要性は感じません。

 教員は学会の事務局的な仕事や政府系の仕事の取り仕切りなど事務仕事がかつてより増えているようです。昔は学問的な能力で人事を決めていたため個性的でハチャメチャな先生もたくさんいました。あくまで一般論ですが、昔に比べて事務能力が高く優秀、無難でまとまりがよく波風立てないタイプが増えているように思います。今は学生も教員も、まじめになりすぎているのかもしれません。

(構成/編集部・福井洋平)

AERA 2017年3月27日号


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