まだまだ少数派の国際結婚。でもそこには、異文化理解へのヒントが…(※イメージ写真)
まだまだ少数派の国際結婚。でもそこには、異文化理解へのヒントが…(※イメージ写真)

 増えてきたように思うものの、まだまだ少数派の国際結婚。文化や宗教の違いを超え、十人十色のパートナーシップを紡ぐ人たちに聞いた。

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 中国語教室「ビーチャイニーズ」講師の張燕さん(45)は、日系大手商社勤務の日本人の夫(50)と結婚して21年。知り合った時、張さんは北京事務所、夫は東京本社に籍を置き、結婚前に会ったのは10回あるかないかだった。日本語はわからなかったが、不安はなし。彼なら信用できる。その思いで、単身日本へやってきた。

「中国と日本ではもちろん違いはたくさんあります。でも、私の性格でしょうか、見方が違って面白いな、と思うんです」

●一歩下がり互いを理解

 言語ひとつとっても、中国語ではすんなり言い表せる内容が、日本語で説明すると難しい。その逆も然り。中国人と結婚し、中国に住んでいれば、違いに気がつかなかったかもしれない。

 日中関係が悪化した時、どうでしたか?と質問すると、

「中国人より日本人との交流が多いのですが、これまで『中国人だから』といった態度を取られたことがない」

 と張さん。ただ、20歳と18歳になる子どもたちには、「『お母さんが中国人だから』と学校でいじめられたりしない?」と一度だけ聞いてみた。「ないないない」と即答だった。

 テレビ局に勤務するヤスオさん(仮名・44)の妻は中国の南京出身。日本人からすると「あの南京大虐殺があった土地」。さぞかし反日感情が強いかと思いきや、「日本人はみなそう言いますが、中国人にとっては南京大虐殺の後も苦難の歴史が数々あり、歴史のひとつ」(ヤスオさん)。結婚10年。反日・反中が話題に上ったことはない。

「わざと、という感じでもない。日本人同士でも、言っても仕方がないような話は家庭の平和のために避けるでしょう? それと同じ」(ヤスオさん)

 一方、韓国人と日本人の夫婦からは別の意見が聞けた。韓国人のパクさん(仮名・48)は、2歳下の妻と結婚する時、

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