と宣言。それ以来、一切していない。元々、平日の生活サイクルはすれ違うことが多かったが、加えて週末はカルチャースクールに通い夜まで帰らないようにして、家庭内別居状態をつくり出した。すると、思わぬ変化が起きた。夫が料理をつくり、子どもたちにごはんを食べさせるようになったのだ。他にも、ゴミ出し、食器洗い、洗濯なども率先してやるようになったという。

「割り切ったほうが夫婦生活はやりやすい。こんなふうに思わぬ副産物がついてくることもありますから」

●妥協できずに別居婚

 心ではなく、生活そのものを分けている人たちもいる。

 フリーコンサルタントのDさん(女性・40代)は、同じくコンサルティングを行う男性(40代)と事実婚をしている。明るい人柄に惹かれて「子どもが欲しい」と持ちかけたのがきっかけだ。男性は快諾し、現在2歳になる子どもがいる。同居はしておらず、普段はDさんと子どもが一緒に暮らし、週末は男性のマンションで過ごしている。保育園の送り迎えは男性も担当しているそうで、「彼は完璧なパパです」と褒めちぎるDさん。でも、なぜ一緒に暮らさないのか?

「お互い独身時代が長かったせいで家事のやり方が確立し、こだわりが強くて妥協が難しい。子どもが大きくなったら、パパとママはこうして離れているから仲が良いのよと伝えます。そして何より、男性が家事をこなし、経済的な意味だけではなく、生活面でも自立している姿を見せることで、男女の役割にとらわれない子どもに育ってほしいです」(Dさん)

(編集部・竹下郁子)

AERA 2017年3月20日号