今の妻の(東尾)理子(41)と結婚したのは、彼女が34歳で僕が56歳のとき。理子は壱成やすみれ、松原さんのことも受け入れてくれています。離婚しても、養育費の面も含めて、元妻や子どもたちとは絶対に切れないんです。むしろ絶対に切ってはいけない。それは男のプライドとして持つべき部分だと思います。

 でも、理子がそれを受け入れてくれるのは、彼女が過去にいろいろな恋愛経験をして、僕という男を理解してくれるだけの人間的な成熟があったからです。これがお互いに10年前だったら結婚まで至っていないかもしれません。家庭生活でもそう。理子はすごくきっちりした性格なので「これはどうなの!」と責められることもある。30代までの僕だったら道理や論理で「正しさ」を主張していて、大げんかになってしまっていたはずです。でも、過去の結婚で学んだことは、そんな理屈は何の意味もないということ。負けるが勝ちじゃないけれど、妻と衝突せずに家庭を上手に運営していける男性こそが「勝ち」だと思うのです。

 なぜ3回も結婚したのかといえば、僕の中で「やりきった感」がないからです。理子という素敵な女性と3度目の結婚ができたのだから、男として仕事をする、夫として妻を支えるのは当然として、遅ればせながら、父として息子(理汰郎くん、4歳)と娘(青葉ちゃん、0歳)の子育ても全力でやりたい。そうして、過去を取り戻している部分があるかもしれません。今度はヘトヘトになるまで、この最後の結婚生活を「やりきりたい」と思っています。そして、僕と結婚してくれた女性たちには、今でも感謝の気持ちしかありません。(談)

(聞き手・構成/編集部・作田裕史)

AERA 2017年3月20日号