あくまで一般論とことわりながらも、警鐘を鳴らすのは長年摂食障害の治療にあたる医師だ。活発に行動するのは「過活動」の状態なのだという。

「摂食障害、特に拒食症の患者さんの特徴は元気なこと。ガリガリにやせ細った患者さんの多くはキビキビと動き回り、とても活動的に映ります」

 病気であることの認識が乏しいのが摂食障害。精神疾患のなかで致死率が最も高いともいわれている。気がかりなのが、日本では摂食障害の専門家が少ないことだ。専門知識がない医師が検査の数値だけを見て、「大丈夫」と判断。結果として重症になり、死に至ることもある。

 たとえば、低栄養状態になると、壊れた細胞膜からコレステロールが出て、逆にコレステロール値は上がりやすい。貧血の有無や全身の健康状態を調べるための血液検査だが、低栄養で脱水症状の体では血液が濃縮されるため、赤血球などが減少していても正常値として出てくることもある。

 加えて15歳という年齢から心配されるのが、将来の中年期骨粗鬆症などの後遺症だ。産婦人科の医師がこう話す。

「低栄養になると体はまず、生命維持に支障のない生殖機能をストップさせます。いちど止まった月経は、体重が戻っても再開しないこともあります」

 日本一の旧家に生まれた愛子さまだけに、宮内庁内部でも心配の声は尽きない。皇族減少が指摘されるなか、女性宮家創設の議論も再び持ち上がるだろう。

「宮家として皇室に残るにしても、ご結婚なさるにしても女性皇族への期待は大きい」(宮内庁関係者)

 摂食障害の専門医師も訴える。

「摂食障害の治療の鍵は、適切な早期治療ができるかどうかです。長期化すれば深刻な病だという認識を持ってほしい」

(皇室取材班)

AERA 2017年3月13日号