「若鯱家のとろみは、実は片栗粉を使っていません。スープを作るときにホイップするようにしてとろみをつけますが、この技法は秘伝で、限られたスタッフにしか伝授されていません」

 とろみのあるスープを絡めて食べやすいように、麺は極太。最初は甘く感じるが、最後には辛さを感じてくるのが、若鯱家のカレーうどんだという。

●ついに進出したあの味

 もう一品、東京では知る人ぞ知るものに「台湾ラーメン」がある。たっぷりの唐辛子と挽き肉を炒めた「台湾ミンチ」と青ネギ、モヤシの入った鶏ガラ醤油のラーメンだ。発祥の店は名古屋の老舗台湾料理店「味仙」。台湾と名は付いているものの、正真正銘名古屋発のグルメである。

 東京には昨年「郭 政良 味仙 東京神田店」が開店し、在京名古屋人が「ついに来たか!」と殺到。3月7日には東京神田西口店がオープン予定だ。こちらは辛いもの好きならぜひ訪れてほしい店。ただし、初めてなら、辛さを控えめにした「アメリカン」でもいいかもしれない。

 ちなみに名古屋ではこの台湾ラーメンから着想を得て、近年では台湾ミンチを使った「台湾まぜそば」も誕生。食べることそのものを「楽しむ」スタンスで進化し続ける名古屋メシ、ぜひ東京でも堪能あれ!

(ライター・大西桃子)

AERA 2017年3月6日号