自動運転技術も進んでいますが「完全な自動運転」は当面、低速で同じルートを往復する公共の乗り物でまず導入されるのではないでしょうか。マイカーでは難易度が高いため、まだ先の話でしょう。

 いま世界の自動車業界で“逆転”が起きています。これまではメーカーが規制当局に働きかけ、有利な規制を引き出してきました。ところが現在は規制当局がメーカー側をつついて「早く電動化しなさい」と促している。アメリカでもドイツでも否応なしに電気自動車をやらざるを得ない状況です。利益うんぬんではない所でプレッシャーがかかっているのが現状です。

 そんな業界にIT系などの参入も相次いでいますが、全て自前でやることは断念しています。例えば事故に遭いそうな場面でどう制御するかなどで、100年の歴史がある自動車メーカーに分があるためです。ビジネスモデルはどんどん変わりますが、自動車メーカーは主要なプレーヤーであり続けていく、と考えています。

AERA 2017年3月6日号