危険な食材が食卓にのぼる日も遠くない? (※写真はイメージ)
危険な食材が食卓にのぼる日も遠くない? (※写真はイメージ)

 ドナルド・トランプ氏がアメリカ大統領に就任して約1カ月。新大統領は意に沿わない企業やメディアをツイッターなどで厳しい言葉で恫喝してきた。グローバル企業は戦々恐々としている。トランプ政権で世界はどう変わるのか。AERA 2017年2月27日号では、「トランプに勝つ日本企業」を大特集している。

 日本経済への影響も大きいと見られているトランプ政策。給料、物価、住宅ローン、食品──。日常生活への影響もあるのだろうか。アメリカのTPP離脱で気になる食品について取材した。

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 トランプ大統領がTPP離脱を宣言し、同時にTPPに代わる貿易協定締結を2国間で進めていくことになった。これにより日本の食卓にどのような影響を及ぼすのか。資源・食糧問題研究所代表の柴田明夫氏が言う。

「TPPの協議では、日本は大筋合意までかなりの譲歩を要求されました。2国間協議では、その譲歩したTPPの合意内容を基本にして、さらに厳しい要求を突きつけてくるでしょう」

 これまでTPP問題の論点となったひとつが関税撤廃だ。日本が輸入している農林水産物のうち、約81%の品目がTPP発効後に即時・段階的を含めて撤廃となると決まっていた。この条件にさらなる譲歩が迫られることになりかねないという。これにより国内農業の衰退を加速させるという問題は残るものの、安い食品が流通すれば消費者は幸せという見方もあるが……。柴田氏が気になっているのは「食の安全性」だ。

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