やらされたりイヤイヤやると家事はつまらないですが、分担を決めて裁量権をもらうと途端にモチベーションが上がる。それでも、ルーティンワークはつまらない。皿洗いでは台所にストップウォッチを持ち込んでどれだけ早く終わるかチャレンジするようになりました。どうしても10分の壁を越えられず、導入したのが卓上型の食洗器。「5分程度の短縮でも、自分の人件費を考えると積み重なれば大きなコストカットになる」と説得して取り入れました。片づけも、引き出し内に間仕切りを作って下着の収納を楽にしたり、研究と工夫を楽しんでいます。

 お互いが要求する家事の水準を合わせることも大切です。よくあるのが、奥さんが夫の家事のレベルが不満で結局家事を抱え込んでしまうこと。私は妻に「会社で人の仕事に納得がいかないからって、全部自分でやろうとは思わないでしょう?」と言うようにしています。家族間で何が自分たちにとって大切か、家事に割く時間はどの程度あり、どの程度までやればいいかを共有することが大事です。

 私は食洗器で少々洗い残しがあっても気にしませんし、私の担当分野ですから家族には納得してもらう。片づけだって、モデルルームみたいにピカピカにしなくていい。その分、私は食事はレトルトでも外食でもなんでもいいし、基本的に口出ししません。家事の過剰品質は家庭にとって「敵」ですね。

 子どもがいる家庭だと、一緒に家事をやると教育的にもいいですね。うちはルンバをかける時、「片づいてないとルンバに食べられちゃうよ~」と言いながら一緒に片づけもしています。

(構成/編集部・福井洋平)

AERA 2017年2月13日号