保活で繰り広げられるポイント獲得競争(AERA 2017年1月30日号より)
保活で繰り広げられるポイント獲得競争(AERA 2017年1月30日号より)
保活で繰り広げられるポイント獲得競争(AERA 2017年1月30日号より)
保活で繰り広げられるポイント獲得競争(AERA 2017年1月30日号より)

 激戦区ではいっこうに楽にならない保活戦線。何とかして入園を勝ち取るべく、親たちはポイント稼ぎに血道を上げている。しかし基準が変わって……。

【写真2】保活で繰り広げられるポイント獲得競争

「せっかく育休を切り上げて早く復帰したのに、意味がなくなってしまうんですよ」

 東京都江東区に住む会社員の女性(37)はため息を漏らした。無認可の保育園に預けている長女(8カ月)のため、昼休みには毎日、せっせと搾乳している。

 0歳児を抱えながらのフルタイム勤務は、夜間の授乳のせいで眠気との闘いだ。健診や予防接種で有休もどんどん減っていく。しかし、そんなつらさも、「認可外加点」を稼ぐためだと言い聞かせることで頑張れた。それが、水泡に帰すことになろうとは……。

「保育園落ちた日本死ね!!!」という母の叫びが話題になったのは2016年2月。しかし、親たちはいまも、妊娠中から過酷な保活を強いられている。「保育園を考える親の会」の代表を務める普光院亜紀さんによれば、

「いまは待機児童の多い自治体はものすごく頑張って保育園を新設しています。でも、それ以上に入園申請をする人が増えている。増え続ける需要に供給が追いついていません」

●育児休業加点を新設

 入園希望者を公平に審査するため、多くの自治体で導入されているのが、「ポイント制」だ。子どもの入園を希望する世帯が「どれだけ保育を必要としているか」が点数化され、点数が高い人ほど優先的に入園できる仕組みとなっている。

 細かな仕組みは自治体によって異なるが、基本は「両親ともにフルタイム勤務」で満点。近年、都内を中心に激戦エリアでは「満点」でもなかなか認可保育園には入園できない。同点の場合、世帯年収が低い、区内の居住年数が長い、などのほうが優先される。どうにかして入園したい親たちは、プラスアルファの加点をつけるために、しのぎを削っているのだ。

 これまでは、育休を早く切り上げて仕事に復帰し、子どもを認可外施設に預けて「認可外加点」を得るのが必勝セオリーだった。冒頭の女性が狙ったのもこの「認可外加点」。彼女が戸惑っているのは、競争の激化に伴って加点基準が変化しているからだ。

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