介護施設もたくさんあるので、大まかな場所だけでも下調べしておく。情報をできるだけ集めましょう。ネットの情報より、ご近所情報のほうがリアルタイムなので信憑性があると思います。また、きょうだいがいる方は金銭面の話し合いもしておいたほうがいいです。実家に戻るのか、それとも親を呼ぶのか、介護場所は自宅か施設かなど、準備することは山ほどあります。準備だけはしすぎてもいいと思います。

●介護して視点変わる

 介護について私は周りに話すことが平気なので幼なじみに「介護になっちゃって大変」と話したら「うちもそうだよ」って。それからは彼女とは愚痴を言い合って、ストレス解消をしています。母とは介護と関係なく、親子喧嘩もします。言いたいことを言える関係です。私がデビューした年に父が他界したので、将来は母と同居を前提に結婚もしました。元おニャン子のメンバーで介護している人はまだいないです。将来、「介護してたよね」って聞かれるかもしれませんね。

 介護は長丁場。だからあまり無理はしないようにしています。頭にきた時は会わないのが一番。「あ、汚い言葉が出そう」と思ったら、その場を離れます。介護当初は面と向かって言っちゃったり、2階に上がりながら、「くそばばあ」って言ったりしたことも正直ありました。基本、私が夕飯を作っているので、母がご飯を食べると言ったら、早歩きで買い物して帰ります。それなのに「いらない」って言われた時は気持ちの上ではちゃぶ台をひっくり返しますね(笑)。「仕事で疲れてるのに!」って。今は2世帯住宅で居住空間が違うので切り替えしやすいですが、そうではない方もイライラしたり疲れたりしたら介護をする親御さんの部屋から出て少しでも距離をとるといいでしょう。

 介護するようになって視点が変わりました。都内に仕事へ行く際に、車いすで入れそうな段差がないお店の目星をつけます。最近は、「FREE Wi-Fi」のステッカーを貼っているお店がありますけど、同じように「車いすで入れる」というステッカーも貼ってもらいたいですね。

(構成/編集部・小野ヒデコ)

AERA 2017年1月23日号