停滞期は、基礎代謝が落ち、摂取したカロリーが消費できないことで起きます。もうひとつは、人間の体は急激な外部環境の変化に対して、体温や水分量、血糖値などを常に正常に保つように調節する機能が働きます。この機能を“ホメオスタシス機能”といい、食事からのエネルギー吸収率や運動時の消費エネルギーもホメオスタシス機能により調節されています。例えば、非常時で食べられない生活が続いたとしても、ある程度体重が減った時点で“SOS”が発信されて体重の減少を防いでしまうのです。このような停滞期を引き起こす数々のメカニズムを知ることが、ダイエットを成功させる一歩です。

 そして、神経質にならず、1日ぐらい飲み会で飲んだり食べたりしてもいいと思うこと。たくさん食べてしまっても翌日からまた頑張ればいいというぐらい心のゆとりをもったほうが続けられるでしょう。

 運動しながら体重を減らす目標を、1カ月1キログラム程度にする“ゆるダイエット”が理想的です。1カ月1キログラムの目安は、1日240キロカロリー控えるだけなので、甘い物をひとつやめる程度。もしくは、食事を野菜、肉や魚から食べ始めて、最後に炭水化物という順番に変えると、満腹感が得られやすくなり、摂取カロリーを減らすことができます。(ライター・村田くみ)

AERA 2016年12月26日号