ぐっちーさん/1960年東京生まれ。モルガン・スタンレーなどを経て、投資会社でM&Aなどを手がける。本連載を加筆・再構成した『ぐっちーさんの政府も日銀も知らない経済復活の条件』が発売中
ぐっちーさん/1960年東京生まれ。モルガン・スタンレーなどを経て、投資会社でM&Aなどを手がける。本連載を加筆・再構成した『ぐっちーさんの政府も日銀も知らない経済復活の条件』が発売中

 経済専門家のぐっちーさんが「AERA」で連載する「ここだけの話」をお届けします。モルガン・スタンレーなどを経て、現在は投資会社でM&Aなどを手がけるぐっちーさんが、日々の経済ニュースを鋭く分析します。

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 師走であります。師をも走らせるくらい、日本の12月の忙しさは半端ありませんね。「今年もお世話になりました」と走り回り、忘年会なども多発するので、そりゃあ忙しくなりますよ。しかし1年が12月で終わり、1月からまた新しい年が始まるという、この12月が終わればすべてが新しくなるという発想は世界中でも珍しいようです。

 少なくとも長年住んでいたアメリカではそういう意識は皆無でした。年が明けてもそれはあくまでも昨年の続きであって、何かが改まるという意識はまったくありませんでした。ですから12月は別に気忙しくありません。

 なぜ、日本人は1年ですべてが生まれ変わる……と意識するんでしょうか。いろいろ調べてみたところ、どうやらこの意識は別に今に始まったことではなく、江戸時代にはすでに慣習になっていたようです。

 江戸時代では、一般庶民が借りたお金はその年の大晦日までに返さずに逃げ切ることができれば、すべて「チャラ」になるというのが社会的慣習だったようです。ですから借金をした人は、返せなくなると大晦日は長屋の押し入れに隠れて逃げ回り、大家さんもそれに加担する、なんてことが実際にあったそうです。何人かの専門家に伺いましたがどうやら本当のようですね。

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ぐっちーさん/1960年東京生まれ。モルガン・スタンレーなどを経て、投資会社でM&Aなどを手がける。本連載を加筆・再構成した『ぐっちーさんの政府も日銀も知らない経済復活の条件』が発売中

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