散り際に意地見せたヒラリーと「ミシェル・オバマ待望論」

津山恵子AERA#米大統領選
「見事な敗北宣言だ」

 ヒラリー・クリントンが9日午前に行った「敗北宣言」生中継の直後、テレビのニュース解説者はコメントした。

 歴史的な宣言だったのは、特に若者と少女たちに呼びかけた部分だ。史上初の女性大統領候補でなければ、なかった言葉だろう。

「正しいと思うことのために戦うという信念をあきらめないでください。なぜなら、それは実行するに値するからです」「女の子たちは、自分の夢を追求することをやめないでください」

 しかし、現実として、クリントンは、米国の女性の心を100%つかんだわけではない。中西部ミシガン州など、敗北の“とどめ”となった白人労働者階級が多い州では、白人の女性票が伸び悩んだ。トランプの女性に対するセクハラ問題が選挙戦中に表面化したにもかかわらずだ。

 保守的な中西部で育ったニューヨークのバーレストラン経営者ソーニャ・ラトニキ(33)は、「大学の進学率が低い中西部の白人女性は、強い意志を持つことは良しとされても、男性の上に立つようには育てられていなくて、男性と競うことなんてないのです」。

 クリントンは、自分が再び大統領選に立つことがないと示唆して、こうも付け加えた。

「(女性の進出を阻む)ガラスの天井は、『誰か』がすぐにでも、砕くでしょう」

 クリントンが勝利集会を予定していたニューヨークの会議場は、ガラスの壁と天井でできていた。ツイッターには“トランプ後”にミシェル・オバマの出馬を待望する「ミシェル2020」のハッシュタグが登場した。(文中敬称略)

(ジャーナリスト・津山恵子)

AERA 2016年11月21日号

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