「『希望の塾』についてはいろいろ分析されますが、日本に足りないのは希望。純粋にそう思う」=10月12日、都庁(撮影/写真部・馬場岳人)
「『希望の塾』についてはいろいろ分析されますが、日本に足りないのは希望。純粋にそう思う」=10月12日、都庁(撮影/写真部・馬場岳人)

 就任から3カ月。メディアでその姿を見ない日はない。“アンチ小池”まで引き込む求心力。「鉄の微笑」を浮かべ、日本初の女性都知事が目指すものとは。アエラの井原圭子編集長が小池百合子都知事に話を聞いた――。

──都知事選を振り返って。終盤の盛り上がりはすごかった。

 得票の足し算ではなく、私は化学変化を起こしたかった。だいたい選挙は、「男にしてください!」っていうのが多い。けれども今回は、悲壮感よりも、楽しいから参加した方々が多かったと思います。

──なぜ、都知事に。国政のトップを狙っていたのでは?

 舛添(要一)さんの先の知事選の前に、石原慎太郎さんから「あんた出ないか、都知事はおもしろいぞ」と言われて。「そうか、そのチョイスはあるな」と気づかせてくれたのは、石原さんです。ただし、いつのまにか田母神(俊雄)陣営に回られたのは石原さんらしいですけど(笑)。

 それと、国で私、いろいろ政策を仕込むんですが、なかなか答えが出ない。議連つくって人を集めて、議員立法案を出す。でも、遅い。決まらないし、中途半端。むしろ東京でやったほうが早いな、と。女性の活躍とか、待機児童問題も。

──都庁や都議会をブラックボックスと断じました。

 ブラックボックスを開く前に、エンプティーボックスが見つかっちゃった(笑)。情報公開は不十分です。“海苔弁”みたいに黒く塗って公開しないですね。霞が関でもありがちですが、やはり情報公開は一番の鍵です。

●「高支持率は怖い。高所恐怖症(笑)」

──築地市場移転問題。豊洲以外の選択肢もあるでしょうか。

 まだそこまでは至らないですね。科学的に確認していかなければいけない。まず安全性を考えなければ。いま、話がごっちゃになってしまっている。市場は「食の安全」が第一です。豊洲について「ちょっと待った」と言ったら「地下空間」が出てきた。建築物としての安全性のはずが、情報伝達の仕方とか組織のガバナンスの話に飛んで、混乱している。各党派で皆さん競い合うように調査されたり、拍車をかけてしまったかなあ、とも思いますね。

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