我が道を突き進む岡崎。現状打破となるか(※写真はイメージ)
我が道を突き進む岡崎。現状打破となるか(※写真はイメージ)

 優勝に貢献した昨季から一転、今季は出場機会の少なさに苦しむ岡崎慎司。その状況は日本代表にとっても気になる問題である。

「喜びは1%ぐらいしかない」

 欧州チャンピオンズリーグ(以下CL)グループステージ第3節、FCコペンハーゲンに1-0で勝利したレスター・シティー(英)のFW岡崎慎司はそう言って苦笑いを浮かべた。

 チームはこれでCL3連勝。欧州一を決めるトーナメントでベスト16入りをほぼ確実にした。一方で、それまで2試合の出場時間ゼロだった岡崎に与えられた時間は残り5分とロスタイムだけ。岡崎にとってチームの勝利とCLデビューは喜ぶべきことだが、自身の置かれた立場を考えれば複雑な心境だったのだろう。

●出場なしのジレンマ

 昨季のレスターは開幕前の優勝オッズが5千倍とも言われた“超大穴”のなか、驚異的な快進撃を見せ奇跡のプレミアリーグ優勝を果たした。移籍1年目の岡崎も先発出場を続け、優勝への貢献が高く評価された。しかし迎えた今季、優勝でさらに上のステップを目指すチームはアルジェリア代表FWイスラム・スリマニら攻撃陣を補強し、岡崎の出場機会は激減。近年、日本代表のストライカーとしても不動の地位を築いた岡崎だが、所属チームで出場機会を失った影響は小さくない。W杯アジア最終予選でも4試合中2試合は出番なしと、かつての勢いを失いつつある。現在30歳、岡崎は選手としての正念場を迎えている。

 しかし、地元レスターで取材すれば、岡崎の評価は下がるどころか、今なお高いことに驚かされる。地元紙「レスター・マーキュリー」の名物記者ロブ・タナー氏の岡崎評はこうだ。

「シンジは優勝した昨季、チームにとって重要なメンバーだった。今季はスリマニの加入もあって、残念なことに出場機会は限られているが、個人的には先発でプレーしてほしい。彼の運動量はとてつもなく、彼が前線から守備をすることで後ろの選手がどれだけ助かることか」

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