みどり薬局のように、その場で自ら採血をして、血糖や脂質、肝機能などの簡易測定ができる薬局が増えている。薬剤師から説明を受けて10分程度で受けられ、かかる費用は1項目あたり500~1千円程度だ。

 健康チェックのために、こうした「検体測定」ができる薬局は2年ほど前から徐々に広まり、推進している検体測定室連携協議会によると、9月末時点で全国に1304カ所ある。

「検体測定では診断はできませんが、正常値よりも外れていたら、医療機関を紹介します」

 と薬剤師でみどり薬局代表の坂口眞弓さんは言う。坂口さんは、処方薬から市販薬、日常の気になる健康の話題まで利用者の相談に乗っている。

 日常の健康管理から、ちょっとした体調不良、医療機関との連携──。こうした、個人の健康のハブとなるのが今の薬局の姿だ。

 では、自分に合った薬局や薬剤師はどのように選ぶのか。前出の山浦さんは言う。

「まずはアクセスがいいところ。自宅や職場の近くで見つけてください。調剤だけでなく、市販薬の品ぞろえが充実していると、医療機関にかかっているときもいないときも利用できます。今後増えていく『健康サポート薬局』は目安になります。検体測定ができるところでは、日々の健康管理ができるのでよいでしょう」

 いい薬剤師を見つけ、市販薬をうまく活用し、大病にも備える──薬とのそんな付き合い方を身につけるのが、時間に追われる大人のたしなみになりつつある。(編集部・長倉克枝、澤志保)

AERA 2016年11月7日号