「都議会自民党は1年生議員が多く、仮に新党が結成された場合、一枚岩でいけるかどうかわからない。危機感を強めています」

●人材発掘お手の物?

 小池氏は、新党結成の可能性をことあるごとに否定している。実際のところはどうなのか。

「順調にいけば塾が候補者探しの場になる可能性は大いにある。ただ、今の段階で新党を結成するかどうかは決めていないでしょう」

 こう話すのは、小池氏が参院議員時代、秘書を務めた元横浜市長の中田宏氏(52)。

「まずは何千人規模の応援団をつくっていく。その中からいい人がいれば、都議選の重点的選挙区に立てることを考えるのでは」

 中田氏が秘書を務めたのは、細川護熙氏が代表の日本新党時代。日本新党は国内で初めて、国会議員の候補者公募を実施。党中枢にいた小池氏は、公募や候補者のリクルートなどに汗を流したという。

「小池さんは日本新党の公募から、最近の維新の公募まで見てきて、その可能性も、危険性もよくわかっている。議員を粗製乱造してしまうと、自分に跳ね返ってくる。塾生受け入れの門戸は大いに開いているが、候補者にするかどうかについてはよほどの注意を払っていくでしょう」(中田氏)

 自民党の茂木敏充政調会長、民進党の野田佳彦前首相、枝野幸男前幹事長など、いまや与野党の幹部で重きをなすのは、日本新党出身者が目立つ。見る目の確かさなのか。そんな小池氏の政治塾からは今後どんな人材が巣立っていくのか。目が離せない。(編集部・山口亮子)

AERA 2016年11月7日号