20代に圧倒的な人気を誇るのが、ロンドン発のアプリ「Feeld(フィールド)」だ。累計ユーザー数は世界140万人に上り、ロンドン、ニューヨーク、サンパウロなどの都市で使われている。

 Feeldは、創業者のディモ・トリフォノフさんが、付き合っている女性に「あなたと同じくらい別の女性のことが好き」と打ち明けられたことがきっかけで誕生した。彼女はバイセクシャルだった。彼は彼女と別れることはせず、3者間のオープンな関係を選んだ。新しい形を受け入れる彼女への意思表示として、約2年半前にFeeldを開発したという。

 ミシガン大学で制度的多様性について研究するエイミー・ムーアズさんによると、オープンな関係への関心度は、Googleの関連検索キーワードが過去10年間で右肩上がりに伸びていることからもわかるという。

 Feeldのユーザーの性的指向は、全体の約70%がストレートな人たち。社会の慣習にとらわれずに性的関心を自由に探求できるコミュニティーが育まれつつある。アメリカでは、隣に住む夫婦がオープンな関係を謳歌していても不思議ではなくなってきているのだ。(ITライター・三橋ゆか里)

AERA 2016年10月24日号