リオ五輪開会式で、最終ランナーとして聖火台に点火したアテネ五輪男子マラソン銅メダリストのバンデルレイ・デ・リマ氏 (c)朝日新聞社
リオ五輪開会式で、最終ランナーとして聖火台に点火したアテネ五輪男子マラソン銅メダリストのバンデルレイ・デ・リマ氏 (c)朝日新聞社

 熱戦の続いたリオ五輪を見て、私も参加したい! と思った人も少なくないのでは。五輪を身近に感じて、より楽しむ方法を教えます。

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 トップアスリートでなくとも、五輪に参加する方法はある。その一つが、「聖火ランナーになる」。

 五輪発祥の地・ギリシャで採火されたものが移送され、日本のどこかに上陸する。聖火は、トーチからトーチへ、ランナーらのリレーで開会式スタジアム(予定では東京・新国立競技場)の聖火台まで運ばれる。

 何人のランナーがリレーをつなぐのか。1964年の東京五輪を例にとれば、4ルートで10万人。98年の長野五輪なら6千人だ。1人につき数十メートルから数キロ走る。

 ランナーはどのように選ばれるのか。五輪史に詳しい尚美学園大学専任講師の江頭満正さんによれば、「JOC(日本オリンピック委員会)枠」「スポンサー枠」「IOC(国際オリンピック委員会)枠」「開催国枠」の四つがあるという。

●チャンスは二つの枠

 一般の人がチャンスを得ることができるのは、「JOC枠」と「スポンサー枠」の二つだ。JOCは、公募を行うとみていい。近年の五輪ではどの開催国もそうしてきたからだ。

 スポンサー枠では、大会トップカテゴリーのスポンサーから招待があり得る。2020年東京五輪は「コカ・コーラ」「トヨタ」「パナソニック」などの企業名が並ぶ。リオではコカ・コーラのウェブサイトなどを通じて、ランナーの公募が行われ、一般人が招待された。

 IOC枠と開催国枠は、一般の人にとってノーチャンスだ。IOC枠は、スイス・ローザンヌ本部が持つもので「五輪の発展に尽くした人」限定。名誉枠だ。開催国枠は、主に開会式に登場するランナーで「演出の一環」。ニュースとして全世界に配信される「最終聖火ランナー」も含まれる。選出基準は、「開催国を代表するアスリート(元も含む)で、五輪メダリストが有力」(江頭さん)。

 リオ五輪では、アテネ五輪銅メダリストでマラソン選手のバンデルレイ・デ・リマ氏だった。国を代表するオリンピアンだ。この選出基準は、04年のアテネ五輪以降の流れだという。

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