「気楽」とはいえ、英語やピアノなども習っているため、週末には三つの習い事をかけ持ち。レッスン場や駅まで親も自転車をとばす。

「バレエの発表会後は、短期の海外語学留学をさせます。バレエも含め、夏の予定はすべて、何より娘が楽しみにしているから、親も送迎や費用面で応援できる」(Bさん)

●忙しくも充実した夏

 中学生になれば、親が関与しなくても、自分の意思で部活漬けなどの夏を迎えることになる。実際、中学生の母親たちは、

「夏休み中は連日、サッカー部の練習に合宿もあります。家族でのハワイ旅行を差し引くと、オフは2日ほど」(私立中2年女子の母)

「息子はプログラミングの大会を目指した習い事、娘は吹奏楽部に毎日通う夏。家族旅行には行きたがりません」(私立高1年女子、公立中1年男子の母)

 と、わが子の忙しさにあきれつつも、やりたいことに夢中な姿勢には肯定的だ。

 Bさんの場合、それが少し早まっただけなのかもしれない。しっかりした目標があり、無理強いでなければ、親たちは小学生の忙しい夏を応援しているようだ。

「ぐんぐん上達して、習得も早い年代。最初はろくに覚えられなかった武道の型でしたが、まだ小2だったのに大会であんなに頑張れた」

 そう誇らしげに話すパート勤務の女性Cさん(36)は、昨夏の息子の成長を実感している。夏休み半ばに開催される武道の大会に向け、週3日の練習に加え、先生の個人指導にも5回以上は通った。ほかに週2日あるサッカーの練習と試合、合宿もすべて参加。そして週末は家族でバーベキューに出かけ、忙しくも充実した夏を満喫した。

 しかし夫婦双方の親たちから、いつ孫の顔が見られるのかと、クレームが出た。夫の実家は名古屋、Cさんは京都。東京からの短期間の帰省は、交通費も気になり、控えていたからだ。

●義母の送迎付き帰省

「夏はいつ帰ってくるのかと、親たちにずっと聞かれて……。去年は1泊でもいいからと、名古屋の義母が朝、東京まで息子だけを迎えに来て、とんぼ返り。サッカーに間に合うよう、2日後の昼にまた、品川駅まで新幹線で連れてきてくれました。あちらも嫁がいないほうが気楽みたいで(笑)、よかったようです」(Cさん)

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