深夜までの勉強や、息抜きのゲームを親も黙認してしまいがち……(※イメージ)
深夜までの勉強や、息抜きのゲームを親も黙認してしまいがち……(※イメージ)

 ふだんから塾に習い事にと、何かと忙しい今どきの小学生。授業がない夏休みも、水泳にサマーキャンプや塾の夏期講習などが加わり、休むヒマがない。

 食べかけのポテトを残して、親子でファストフード店を飛び出した。息子と慌ててタクシーに乗り込んだAさん(40)は、都内在住の専業主婦。夏休み工作教室の開始時刻を勘違いしていたことに、事務局からの電話で気づいたのだ。

「せっかく無料や格安のものに申し込んでいるのに、遅刻でタクシー移動なんて、意味がないですよね(笑)。あの日は午前に伝統芸能のワークショップ、翌日も科学の実験教室があって、私が混乱していました」

●バレエ特訓中に宿題

 Aさんは小3の長男のために、夏休み前、学校で配られたプリントから参加可能なイベントすべてに申し込んだ。実費程度の参加費で、夏の自由研究にもなりそうなものが中心だ。一日をラジオ体操に始まり、午前、午後、夜に分けて、子どものスケジュールを管理しているという。

「夏休みはいろんな体験ができるチャンス。子ども向けのコンサートや舞台なども申し込みました。夫が仕事を休んで帰省できるのはお盆だけなので、サマーキャンプと野球の練習や合宿の合間を、こうしたイベントで埋めています」(Aさん)

 セミの声を聞きながら部屋で一日ゴロゴロしたり、日暮れまで友だちと冒険したり……。都会の子どもたちにとって、そんな夏の日は、もう遠い昔の情景なのだろうか?

「学校がない夏休みのほうが、子どもは断然忙しい」

 そう断言するのは、信販会社の女性管理職Bさん(45)だ。

 小4の長女の夏の予定は、お盆時期の発表会に向けたバレエ特訓が占める。週4回で、拘束時間は長い日で午前10時から午後4時まで。

「自分の出番じゃない時間にやるよう、学校の宿題を持たせています。ただ娘はまだ気楽なほう。いったん外出させ、近所のファミレスで塾の宿題を見ているお母様もいらっしゃって、大変だなって……」(Bさん)

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