200個人メ/400個人メ萩野公介(21・右)はぎの・こうすけ/東洋大学4年。200自由形、800リレーも出場400個人メ/200バタ瀬戸大也(22)せと・だいや/JSS毛呂山スイミングスクール所属。早稲田大学4年(c)朝日新聞社
200個人メ/400個人メ
萩野公介(21・右)
はぎの・こうすけ/東洋大学4年。200自由形、800リレーも出場
400個人メ/200バタ
瀬戸大也(22)
せと・だいや/JSS毛呂山スイミングスクール所属。早稲田大学4年
(c)朝日新聞社

 岩崎恭子が金メダルを取ったバルセロナ五輪の名解説で知られる高橋さん。今年、解説者として7度目の五輪に臨む。水泳は、チームで戦う競技だという。

 競泳は一見すると個人種目のように映るが、水泳解説者で中京大学スポーツ科学部教授でもある高橋繁浩さん(55)は「実は集団スポーツなんですよ」と言う。特に国同士が競う五輪は、大会8日間のなかでいかに「勝つ流れ」をつくるかがポイント。最初に誰かが好タイムを出せば、チーム全体が波に乗れる。

 その意味で、キーマンは、初日の男子400メートル個人メドレーでメダルを狙う瀬戸大也(22)と萩野公介(21)だ。

「いきなり最大の見どころがきます。日本は特にチーム主義。全員で戦う意識が強いので、同級生の二人が結果を出せばスタートダッシュになる」(高橋さん)

 昨年の世界選手権でこの種目2連覇の瀬戸、その瀬戸を4月の日本選手権で下した萩野の争い。世界選手権を骨折で欠場した萩野からすれば、リオはリベンジの場だ。銅メダルを獲得したロンドンに次いで五輪は2度目と経験値では優位に立つが、初出場の瀬戸には、2度「金」をとったという自信がある。

「見応えのあるレース展開になる。ワンツーの可能性も十分ある。男子のキャプテンでもある萩野は泳ぎ自体に安定感があるし、瀬戸は持ち前の強いメンタルで力を発揮してくれるでしょう」

 前回のロンドン五輪も、勝利のストーリーがあった。最初に萩野が銅メダルを獲得すると、女子背泳ぎの寺川綾、男子背泳ぎの入江陵介、女子平泳ぎの鈴木聡美の3人が立て続けに銅メダル。勢いが乗り移った。

「北京までは北島康介が流れをつくっていた。ロンドンも結果こそ出なかったけれど、北島の日本チームにおけるリーダーとしての存在感は大きかった。彼の代わりを誰が務めて、どんなふうにまとめていくのか。そんなところも楽しみです」

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