最近、健康派からは敬遠されることが多い炭水化物だが、しっかりとるなら「朝」というのが共通見解だ。

 また、体内時計を動かす効果が高いのは、インスリンが分泌されやすい食品、つまり血糖値が上がりやすいGI値が高い食品だ。その法則で言えば、体内時計をリセットするためにも、朝食には炭水化物を積極的にとるのが理想ということになる。

「逆に夜は体内時計を動かしたくありませんから、GI値の低い食品を食べたほうがいいということになります」(柴田教授)

 早川准教授の経験では、基礎代謝が落ちる50代女性が、夕食の炭水化物を控え、週1回30分の筋トレをしたところ、6カ月で10キロ減ったケースもあったという。

 ただ、「朝はがっつり、夜はあっさり」が理想とはわかっていても、ついつい逆になってしまう人は多いだろう。夜には、ボリュームたっぷりの会食やパーティーなどが入っている人、パーッと飲みに行きたい人もいる。そういう場合は、3日を一単位として考えるといいという。

「摂取エネルギーが脂肪としてため込まれるかどうかは3日が勝負。1食、エネルギーをとりすぎても、残りの8食でコントロールするようにすれば、肥満は防げます」(早川准教授)

【間食はしてもいい?】大人には不要 中毒に注意!

 小腹がすいてつい間食してしまう人も多いだろうが、間食が必要なのは、子どもだけ。大人は3食がきちんととれていれば、必要ないのが基本だ。

「消化器官が小さい子どもは一度にとれる食事量が少ないので間食が必要ですが、大人は不要です。間食が欲しいと思うのは、食事に問題があると考えていいでしょう」(早川准教授)

 とくに間食で要注意なのが、糖質と脂質がたっぷり入っている菓子の食べ過ぎだ。糖質や甘味物質は「脳内麻薬」と呼ばれるβエンドルフィンの分泌を増やす。そのため、食べ過ぎると甘い物中毒になり、さらなる過食が心配だ。

「血糖値が下がらないと体脂肪が燃えにくくなります。体重を減らしたいなら、お菓子を小袋にして少量にするなど、だらだら食べないことです」(早川准教授)

(ライター・角田奈穂子)

AERA 2016年7月25日号