まずは、野菜などGI値が低いものから食べ、炭水化物摂取過多を防ぐことが健康の第一歩だ。

【よく噛むとやせる?】噛む回数よりゆっくり食事

 噛む回数が多いほどやせやすい、というのは間違い。

「噛む回数の増加が消化に役立つことはあっても、噛む行為そのものが体重の減少に影響することはない。それよりも、噛むことで食事時間が自然と延び、過食を防ぐ効果のほうが大きい」(大和田院長)

 満腹中枢が血糖値の上昇を感じるのは、食べ始めてから15~20分経ってからだ。

「満腹感には食べた量と体積も関係する。ポテトチップスのように、かさも重量も少ないのにカロリーが高い食品を食べると、脳が満腹のサインを出しそびれてエネルギーオーバーになる」(同)

 噛む回数を気にするよりも、早食いをやめ、ゆっくり食べることを意識したほうが、やせやすいのだ。

【深夜の食欲なぜ?】体は絶食状態吸収力2割増

 夜遅くまで起きているとおなかがすく理由は、一つに夕食から時間があくため、血糖値が下がり、空腹を感じやすくなるということがある。

 また、夜はエネルギーの代謝が落ち、蓄積モードに入る。この代謝が落ちている時間帯に夜食を食べるのは、肥満のもと。

「食事の間隔があきすぎ絶食状態になると、代謝が落ちた体は省エネモードになる。そのうえ、体は絶食状態に備えようと、食欲が増し、エネルギーを過剰に脂肪細胞にため込んでしまう」

 と、大和田院長は言う。

「その吸収力は20%増しにもなる」(早川准教授)らしい。

 一日1食、あるいは2食の食事回数が好ましくないのも、この理由からだ。最近、有名人などの「一日1食」ダイエットなども流行しているが、食事は一日3食きちんと食べるほうがいい。

 夜食を食べるくらいなら、夕食を2分割しよう。まずは夕方5時頃におにぎり1個など、少量の炭水化物を食べて空腹感をやわらげておく。そして、帰宅後の本格的な夕食では、炭水化物は控え、GI値が低い野菜や豆類などを中心に食べるのだ。

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