150人の村を500人の機動隊で制圧、混乱続く沖縄のヘリパッド移設 (2/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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150人の村を500人の機動隊で制圧、混乱続く沖縄のヘリパッド移設

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三山喬AERA#沖縄問題
7月22日、沖縄・高江地区にある北部訓練場ヘリパッド建設予定地への進入路入り口で、反対派の人々を排除する全国の機動隊。午後からは重機や建設資材を積み込んだ車両が次々と訓練場内に入るようになった(撮影/三山喬)

7月22日、沖縄・高江地区にある北部訓練場ヘリパッド建設予定地への進入路入り口で、反対派の人々を排除する全国の機動隊。午後からは重機や建設資材を積み込んだ車両が次々と訓練場内に入るようになった(撮影/三山喬)

●県道を数キロ封鎖

 辺野古問題とは異なり、この件で翁長雄志知事の姿勢はあいまいで、「オスプレイ配備を前提としたヘリパッド建設には反対」という表現にとどまっている。

 それでも参院選の翌早朝、政府が不意打ちで資材搬入を始めたことにはショックを受け、緊急会見で「こんなやり方は到底容認できない」と怒りをあらわにした。県議会も21日、建設中止を求める決議を採択した。

 機動隊来県に危機感が強まる中、高江地区山中のゲート封鎖には、県内各地から支援者が集まるようになり、21日には、1600人(主催者発表)もの反対集会も開かれた。そして翌未明、機動隊は現場の県道を数キロにわたって封鎖して、バリケード用の車両や人々を半日がかりで排除した。

 反対グループ「ヘリパッドいらない住民の会」メンバーの伊佐真次・東村議は「最初の2カ所が造られた時には、機動隊など来ず、防衛局だけだった。こんな威圧的なやり方をする必要はまったくない。政府は見せしめのつもりだろうが、我々は萎縮しない」と憤慨する。

 現地ではすでにオスプレイの運用が始まっていて、6月には午後10時以降の離着陸訓練が集中して行われる、これまでにない状況も生まれた。

 ヘリパッドから約400メートルの至近距離に住み、「騒音で子どもたちが眠れなくなってしまった」という安次嶺雪音(あしみねゆきね)さん(45)は、中1から5歳までの子ども5人を連れ、隣村での避難生活を強いられている。

「2カ所ですらこの状態。6カ所も造られたら、高江にはもう暮らせない。政府のやり方はあまりにもひどい」

 翁長知事は沖縄基地問題の根源を語る時、米軍統治時代に行われた土地接収を指す「銃剣とブルドーザー」という歴史的形容をしばしば口にする。

 まさにこの言葉を想起させる今回の政府の攻勢は、本土復帰以後、最大の傷痕を県民感情に刻み付けているように映る。(ノンフィクションライター・三山喬)

AERA 2016年8月1日号


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