「ポケモンGOは、友達ができない人を助け、外出嫌いを解消し、運動の足しにもなる。故郷の歴史的建造物を知るようになった」

 と、ミュージシャンのケニー・マネスさん(24)は言う。

 アプリは常にGPSを使うので、スマホのバッテリーがすぐに切れるのに対応し、店舗やレストランが「充電ステーション」を設けていた。若者の有志が、駐車した車から充電できるサービスを提供しているところも。

 一方で、プレイに夢中になりすぎて交通事故につながるなど、全米の警察がツイッターなどで警告を発している。崖からの落下や自転車との衝突、自動車の運転中にプレイしてパトカーに衝突するなどの事故、若者が原子力発電所の敷地に入るなどの迷惑な事例も報道されている。

「プレイ中に死亡例が出るのは、遠い将来ではない」

 と、専門家は警鐘を鳴らす。

 ただ、スマホゲームというと、一人で無表情に画面を覗くイメージが強いが、ポケモンGOは友達と連れ立って笑みを浮かべているのが、印象的だ。(ジャーナリスト・津山恵子)

AERA 2016年8月1日号