「朝ご飯は健康の土台。カレーで野菜も肉もとれ、スパイスの効果もあって家族全員健康です。次女は学校の体育優秀生にも選ばれました」

 朝カレーのもう一つのメリットに、矢野さんは「前日の晩の残り物を具にして片付けられる点」を挙げる。

「豚のしょうが焼きとかナポリタンの具とか、すごく合います。長女はしょうが焼きが好きなので晩ご飯でわざと残し、翌朝のカレーにまわすぐらい(笑)」

 しょうがやトマトが合わないわけがない。あらゆるものを許容する、カレーの懐の深さにあらためて感服した。

●ホクホクのひよこ豆で

 一方、休日がハッピーに幕を開けるよう、土曜の朝食を必ずカレーにしている「朝カレー」派もいる。情報サービス会社に勤める男性(53)は、カレーを食べにインドを旅行するほどのカレー好き。3歳のころカレーを食べ始めたら止まらず、食べすぎて体調を崩したという逸話の持ち主。男性は言う。

「ホクホクのひよこ豆のカレーで始まる週末の朝は格別です。金曜の夜に飲んで帰ってからでも作ります。『これから帰ってカレーを作るんだ』と20代の部下に言ったらびっくりされて、笑われたこともありますけどね」

 ひよこ豆のカレーを作るには、段取りが必要だ。乾燥ひよこ豆と、このカレーに最も合うというルウ「ハウス ザ・カリー辛口」をあらかじめ会社近くの高級スーパーで買っておく。ひよこ豆は24時間かけてもどすため、カレー作りは木曜朝からスタート。出勤前に豆を水に浸し、帰宅後、様子を見て水が足りなかったら加える。

「水を吸って膨らんだ豆の様子を見るとワクワクしてきます」

 金曜の朝、朝支度と並行して40分ほど豆を煮る。そしていよいよ夜はカレー作りだ。男性は豆には手間暇かけるが、それ以外は省力化している。食材はカット済みの野菜や肉を使用。しょうがもチューブ入りのものを使うため包丁いらずだ。

「だから酔っ払っていても大丈夫なんです」

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