英国に見る国民投票の怖さ 本当に憲法改正していいのか?

編集部・渡辺豪AERA#憲法改正#EU離脱
「民主主義のお手本」とされてきた英国が、6月24日に結果が判明した国民投票でとんでもない「民意」を示した。

 憲法改正に向け、国民投票が現実味を帯びてきた日本。英国の現実から、日本社会がくむべき教訓とは。

 国民投票後、まさか、という事態が英国で起きている。

 EU離脱派の急先鋒だった英国独立党(UKIP)のファラージ党首は、EUへの拠出金を国営医療制度(NHS)に充てる、という公約を「間違いだった」とあっさり撤回。「無責任だ」との批判が高まる中、7月4日に辞任を表明した。

 ロンドン中心部ではその2日前、市民たちが国民投票の結果に反してEU残留を求め、大規模な行進を行った。

 こうした動きをいち早く、日本の参院選後の状況に重ね、

「それでも『EU離脱』という投票結果は変わりません。『改憲可能議席3分の2』が現実となってしまってからでは、『後悔、先に立たず』なのです」

 とブログで警告したのは、東京都世田谷区の保坂展人区長だ。

 EU離脱と、憲法改正は別次元の問題だ。しかし、国民投票の結果次第で「国のかたち」が大きく変わる、という共通点には留意すべきだろう。

 憲法改正の手続きは、(1)国会議員(衆議院100人以上、または参議院50人以上)の賛成で原案を発議。(2)衆参各議院の憲法審査会での審査を経て、両院の本会議で審議。(3)両院でともに3分の2以上の賛成で可決し、国会として憲法改正を発議。(4)国会の発議から60日以後180日以内に「国民投票」を行い、賛成が投票総数の過半数を占めれば承認、という流れだ。

 つまり、国会で改憲勢力が3分の2を占めれば、あとは国民投票の結果が鍵を握る、というわけだ。日本社会にはその心構えができているだろうか。保坂氏は、英国の国民投票から得るべき教訓をこう述べる。

「英国の国民投票で露わになったのは、嘘をついても責任をとらない政治家の姿です。デマがまかり通る中で重要な判断が下されるのは恐ろしい」

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