村上春樹は「iPhoneみたいなもの」? バブルの独特すぎる価値観

AERA#村上春樹
 今から30年ほど前の「バブル」と呼ばれた時代。あの熱狂のなかだからこそ生まれた文化がある。バブル当時のファッションや文学を振り返ると、そこには現代にはない「熱気」があった。当時の生活を振り返る。

 バブルさなかの1988年、メグミさんはDCブランドがやっていた現代美術のギャラリーで働く28歳の小娘だった。彼女の日常を紹介するその前に、用語紹介から。DCブランドっていうのは、「デザイナーズ&キャラクターズブランド」のこと。「東京コレクション」が始まって3年、パリ、ミラノ、ニューヨークに次ぐ第4のファッションイベントとして世界中から注目を集め、日本ファッションが大盛り上がりしていた時期だ。

 国内では、「PERSON‘S」「メルローズ」「PINK HOUSE」など、日本人デザイナーによる若者向けのファッションブランドが、雨後のタケノコみたいに誕生。ブランド名にデザイナーの名前を冠したり、キャラの立った個性的なブランドも多かったことなどから、DCなる呼び名が付いたらしい。

 第1回の東京コレクションにも出品し、人気DCブランドのひとつだった「FICCE UOMO」のデザイナー兼社長だったドン小西さんも語る。

「いや、ほんと。信じられないくらい服が売れた時代だよね。たとえばパルコや丸井なんかも、セールともなれば長蛇の列。あそこは列が150メートルだ、ここは100メートルだって、ブランド同士でよく長さを競い合ったもんだよ」

 そんなイケイケの時代は、デザインだってやりたい放題。

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