見た目は若々しい50代女性が多いが、更年期で不調を感じる人も。自分の体の声をよく聞いて、無理をしないほうがいいと専門家は言う(撮影/大嶋千尋)
見た目は若々しい50代女性が多いが、更年期で不調を感じる人も。自分の体の声をよく聞いて、無理をしないほうがいいと専門家は言う(撮影/大嶋千尋)

 50代に入って、鏡を見ればシミや小ジワが気になり、疲れやすくもなった。だが、不安への対処法がわかれば、前向きになれるのだ。女性に訪れる二度目の思春期「オトナ思春期」の乗り越え方を聞いた。

「お母さんの顔って、ぜんぜん化粧映えしないよね」

 娘のひと言が胸に刺さった。25歳になる娘は就職後に一人暮らしを始め、恋愛も進行中。家ではジャージーでゴロゴロしていたが、今やスーツ姿が決まり、メイクもすっかりうまくなった。

 かたや母の私は52歳。シミや小ジワが気になり、鏡を見るのも怖い。“働く女”の先輩と自負してきたが、体力、気力も下降気味。そこへ追い打ちをかける娘の言葉で一念発起した。

 東京・表参道にある美・ファイン研究所。プロのメイクアップ術を習えると聞いて参加したのが「ワタシの顔の作り方講座」だ。受講者はほぼ40~50代の女性たち。子育てや親の介護に追われる人、職場から駆けつけた人も、「何とかしたくて」と苦笑する。

 講座では最初に自分の顔の印象分析を行う。顔形から目鼻口などの形やバランスをもとに、キュート、エレガントなど、外見の第一印象をチェックする。

 なんと私は「エレガント」。卵型で目鼻が小ぶりなところがそう評価されたらしい。一瞬嬉しくなるが、「気取っている」という印象も与えやすいらしい。

「顔の造形から自分の良いところがわかり、周りの人に与えているマイナスの印象にも気づく。私はこうなりたいというイメージが明確になると、個性を生かしたメイクアップができます」と講師の山口童子さん。

 思えば化粧は就活前にデパートの売り場で習ったきり。あれから三十数年、代わり映えしないどころか“イタい”だけかもと、鏡から目をそらしている。

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