例えば東日本大震災では、震源近くで2日前にM7クラスの地震が発生。堀さんはこう見る。

「地震発生に向けた最終段階だったと思われる。東日本大震災はいずれ発生していたと考えられるが、M7の地震で若干タイミングが早まったのでは」

堀さんがいま注目するのは、ひずみが「地震の準備の途中」の段階のトリガーだ。スーパーコンピューター「京」で発生サイクルをシミュレーションしたところ、宮崎県の日向灘で地震が起きると、「あと数十年」で起きるはずが「数年後」に早まり、南海で先に地震が発生するというパターンがみられた。

「隣接する地域で起きた地震によって、南海トラフにひずみがプラスされ、発生が早まると考えられます」(堀さん)

(アエラ編集部)

AERA  2016年5月2日-9日合併号より抜粋