直下型地震に弱い住宅とは 地震工学教授が現地を歩いて見たもの

 二度にわたり大きな揺れが起こった九州・熊本大地震では、多くの建物が被害を受けた。地震工学の専門家である松田泰治·熊本大学教授と現地を訪ね、建物の被害状況を見た。

 今回の震災では構造上、深刻な影響を受けたマンションがある。熊本市西区にある9階建てのマンションは、築42年で約40戸。住戸は2階以上にあり、駐車場の1階は開口部の多い「ピロティ構造」になっている。16日未明の本震では、1階の柱が重みに耐えきれず、駐車場が押しつぶされたため、建物全体がひしゃげて傾いている。

 4階に住む男性(82)によると、本震からおよそ30分後、突然「ドーン」という轟音とともに、マンションが崩れ落ちたという。男性は向かいの空き地に避難していて無事だったが、車はマンションの下敷きになった。

「古い建物だけど、こんなふうに壊れるとは……」

 壁の少ないピロティ構造の建物は、阪神・淡路大震災でも被害を受けた。福岡大学工学部建築学科の古賀一八教授は言う。

「柱だけで水平方向の力を支えようとすると当然強度は落ちます。柱と梁(はり)の継ぎ目は特に弱い。垂直方向にも強い揺れが起きる直下型地震では、危険度が増す構造です」

 町全体が“壊滅状態”となってしまったのは、21人(22日時点)の死亡が確認された益城町だ。記者が15日昼に取材した段階では、被害は特定の地域が中心だった。ところが、16日の本震後は町全域にわたり建物が倒壊し、地面の隆起や道路の断裂も激しさを増していた。町自体が地面ごとずれて、家も道路も“引きちぎられた”ような印象だ。安永地区の築3年の戸建てに住む主婦(30代)がやりきれない表情で語る。

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