朝は6時過ぎに宅急便センターに出勤して荷物を積み込み、8時には出発する。出勤時刻は8時と決められているので、それまではサービス残業となる。昼食の休憩時間は1時間だが、実際には車を止めて食べる時間がないため、運転席で食べられるせんべい、バナナ、チョコレートなどで済ませる。夜は9時過ぎに営業所に戻って退勤のスタンプを押した後も、代引き料金の精算や伝票整理などで1時間ほどのサービス残業を余儀なくされる。

「法律違反のサービス残業がまかり通っていることに、僕は腹を立てていたんです。おかしい、許せないという気持ちが高じて不眠に陥り、それがうつ病につながったと思っています」

 そう語る高志さんの診断書には「抑うつ状態 上記の疾病の為、2~3カ月の休養加療を要する」とあった。

 関西地方のヤマトで10年以上働き、宅急便センター長を務める男性も言う。

「多い月には90~100時間のサービス残業をしています。サービス残業ありきの会社だと割り切っています」

(ジャーナリスト・横田増生)

AERA  2016年4月18日号より抜粋