東日本大震災から5年、葉加瀬さんが今思うことは(※イメージ)
東日本大震災から5年、葉加瀬さんが今思うことは(※イメージ)

 ヴァイオリニストの葉加瀬太郎さんが、3月30日、盛岡市の岩手県民会館で開かれた「復興支援音楽祭 歌の絆プロジェクト」(三菱商事、岩手朝日テレビ、朝日新聞社主催)で地元高校生とコラボ。高校生は合唱を、葉加瀬さんたちは楽器の演奏を披露した。東日本大震災から5年、葉加瀬さんが今思うことは。

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 何でもないと思っていた「日常」が、これほどまでに大切で、こんなにももろいものなのか──。そんなことを突き付けられたのが、あの東日本大震災でした。

 震災以降、必ずコンサートツアーで弾く曲があります。「ひまわり」です。瀧本美織さんが主演されたNHK朝の連続テレビ小説「てっぱん」のテーマ曲で、ちょうど震災のとき放送されていました。

 震災後、「てっぱん」は1週間、放送を休止するのですが、再開時に流れたテーマ曲を聴いて、「ニュースだけしか放送されなかったけれども、日常が少し戻ってきているんだと思えた」「元気を出そうと思います」といったお手紙をたくさんいただいたんです。

 そうした声を聞いて、自分の書いた曲が、お手伝いとまではいかなくても、何かの役割を果たすことができるんだと思いました。

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