「欠席日数を7日で問題視するのか、10日でするのかの違いくらい。自分のこれまでの勤務校では、少年院に入るなどのよっぽどの触法行為でない限りは、生活態度を判断基準に入れることはなかった」

 生活態度に問題がなければ、高校の学力レベルと生徒の成績を突き合わせ、最適と思われる高校に推薦するのだという。

 すべての学校でそうなっていれば、問題はあまりないだろう。しかし、明確な基準がなければ、次のようなケースがあってもおかしくない。

「明らかにおかしい進路希望を学年会議に提出する担任がいる。成績と生活態度に問題がないのに、本人の希望先への推薦は『難しい』と言う。問い詰めると、生徒との関係がこじれている場合が多く、私情がまじっている。他クラスの担任も含めて何度も話し合いながら正していくが、そのチェックから漏れ落ちてしまうケースはあるのかもしれない」

 京都府内の中学で長年、進路指導を担当してきた女性教諭(60)は打ち明ける。特に、おとなしい生徒や、親が進路に関心がない場合に見過ごされる可能性が高いという。(アエラ編集部)

AERA  2016年3月28日号より抜粋