米国には4千を超える大学があるが、人気があるのは一部の有名大学のみ。地方大学には、多様性のあるキャンパスを目指して、GPA(平均成績)やTOEFLなどの基準を満たした留学生に奨学金プログラムを用意するところもある。学費や寮費の負担を減らすことで、留学しやすい環境を整えているのだ。

 都立高を卒業し、カナダでのワーキングホリデーを経て米国中西部の総合私大に留学した女性(27)は、通常7年かかる学部と院を5年間で終わらせて、MBAを取得した。1年間の就職活動後、東京にある外資系コンサル企業に就職できた。

「寮費を含めた学費の4割を奨学金でカバーし、学内アルバイトもしたので、年間留学費は120万円ほど。就職1年目の収入で、5年分の学費をまとめて払えるくらいでした」(女性)

 学生寮を「監獄」のように感じたこともあったが、コスパは悪くなかったと言っていい。(グローバルエデュ編集長・さとうなおみ)

AERA  2016年3月14日号より抜粋