市役所に問い合わせると、両親がフルタイム勤務というだけではポイントが足りず、加点が必要だったらしい。まさかの事態に、不承諾通知をもらった後、すぐに認証保育園3軒に申し込みをしたが、20~30 人待ちという施設もあった。幸い、認可保育園への転園者があり、認証に空きが出たため順番が回ってきたが、綱渡り状態だ。

「政府は女性が活躍できる社会にするとうたっていますが、これでは働ける状態じゃない。もっと保育園を増やしてほしい」

 保育士の確保も待機児童解消には重要だ。だが、保育士も保育園が見つからず働けない。

 沖縄県に住む保育士の女性(31)は第2子を出産後、子ども2人を一時保育に預けてパートタイムの保育士として働いてきた。4月からはフルタイム復帰をと思い、認可保育園に申請したが結果は不承諾。忙しくて保活もままならなかった。

「無認可に空きはあるけれど、保育環境に納得できないので預ける気になれない」

 現状は「1億総活躍」とは程遠いのだ。

(ライター・宮本さおり、今井明子)

AERA  2016年3月7日号より抜粋