今年は特に寒暖差が激しい。2月14日、東京都心では最高気温23度を記録。翌日の15日は最低気温が3.2度だった。写真上は2月13日、下は16日の都内の様子 (c)朝日新聞社
今年は特に寒暖差が激しい。2月14日、東京都心では最高気温23度を記録。翌日の15日は最低気温が3.2度だった。写真上は2月13日、下は16日の都内の様子 (c)朝日新聞社

 大阪・梅田の暴走事故は、運転者の体調の急変が原因だった。気温差の激しいこの時期、血圧変動も起こりやすい。天気と病気の関係に注目が集まっている。

 頭痛、関節痛、花粉症、白内障、脳卒中、心筋梗塞……。一見何の関係もないように思えるこれらの症状の共通点は「気象病」。「気象の変化と関係があると考えられる種々の病症」(『広辞苑』)だ。

「気象病は、命に関わるものから日常的な痛みまで、幅広くあります」

 そう言うのは『その症状は天気のせいかもしれません』(医道の日本社)の著者・福永篤志さん(49)。脳神経外科専門医である一方、気象予報士の資格を持つ。

 確かに晴天の日は気持ちがいいし、寒いと家にこもりがちになる。そういう気分的な問題だけではなく、人間はもっと直接的に天気の影響を受けているという。その最大の理由は人間が恒温動物であり、気温が激しく変動しても主に自律神経を駆使して体温を一定に保とうとするためだ。

 福永さんは、20年ほど前、脳卒中の発生頻度と月別平均気温との関係に注目した。すると、平均気温が高い8月の発症率は低く、逆に平均気温が低い2月の、気温が低下した日の1~2日後に起こりやすいという結果だった。

「脳卒中は一度患うと回復するのが非常に難しいので、何とか予防できないかと思ったのが原点です。その後、天気に注目しました。特に気温差が激しい日と最低気温が低い日に要注意です」

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