ミズノ「侍ジャパン支える黒衣」ミズノ 企画・マーケティング部 ダイアモンドアパレル企画課課長 松岡俊祐(36)撮影/写真部・東川哲也
ミズノ
「侍ジャパン支える黒衣」

ミズノ 企画・マーケティング部 ダイアモンドアパレル企画課
課長 松岡俊祐(36)
撮影/写真部・東川哲也

 アエラにて好評連載中の「ニッポンの課長」。

【ニッポンの課長フォトギャラリーはこちら】

 現場を駆けずりまわって、マネジメントもやる。部下と上司の間に立って、仕事をやりとげる。それが「課長」だ。

 あの企業の課長はどんな現場で、何に取り組んでいるのか。彼らの現場を取材をした。

 今回はミズノの「ニッポンの課長」を紹介する。

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■ミズノ 企画・マーケティング部 ダイアモンドアパレル企画課 課長 松岡俊祐(36)

 大人気のユニバーサル・スタジオ・ジャパンと湾をはさんだ大阪・南港に立つミズノ本社ビル。1階ミズノスポートロジーギャラリーには、有名スポーツ選手のサイン入り愛用品が展示される。

 ミズノといえば、野球用品だろう。ギャラリーにも、名選手のグラブやバット、ユニホームが実物大マネキンと共に並び、ここでも子どもたちが目を輝かせる。

 松岡俊祐は、野球とソフトボールのアパレルやグッズを企画する担当課長。11月8日に開幕する「2015WBSCプレミア12」で、侍ジャパンが着るユニホームを手がけた。

 神戸市生まれ。小学校では野球少年だった。中高ではバレーボール部に転じたが、大学時代は朝6時から9時まで、グラウンドで草野球をするのが楽しみだった。卒業後はスポーツにかかわる仕事がしたいと、ミズノに入社。営業マンとして、選手、チーム、スポーツショップとのコミュニケーションを密に取ることを心がけた。

「お客様が勝ったときの喜びはひとしおでしたが、負けたときの悔しさはその倍。共に感じることができて、日々楽しいと思えました」

 選手の体形や流行のシルエットは時代によって変わっていくため、ユニホームも最新技術で開発された機能的な素材を採り入れ、デザイン面でも敏感でなければいけない。クライアントのイメージをデザイナーやパタンナーに伝えていく。

「でも主役はあくまで選手。パフォーマンスの力になれればと思います。野球のいいところは、みんな必ず一度は主役になれるチャンスがあるところですね」

 部下の中には、甲子園経験者もいる。みんな年齢が近く、和気あいあいとした雰囲気だ。

 家庭では3歳半の息子の父親。早くも父と子は、キャッチボールで対話を始めている。

(文中敬称略)

※本稿登場課長の所属や年齢は掲載時のものです

(ライター・西元まり)

AERA 2015年11月2日号