シスコシステムズパソコンの画面には会議に参加するメンバーの顔が映され、資料も共有できる。自宅のダイニングでも仕事に支障はない(撮影/写真部・長谷川唯)
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パソコンの画面には会議に参加するメンバーの顔が映され、資料も共有できる。自宅のダイニングでも仕事に支障はない(撮影/写真部・長谷川唯)

 成長を続ける企業には、理由がある。例えば、ワークスタイル。形から入るのか、とあなどるなかれ。働き方の改革は、企業の体質改善そのものなのだ。

 東京都心で最大6センチの積雪を記録した1月18日、午前8時を過ぎたころには既に、多くの路線でダイヤが乱れていた。駅には電車を待つ人々があふれ、ホームにも入れない状態。多くのビジネスパーソンにとって、最悪の月曜日――。

 しかし、IT大手シスコシステムズの40代女性社員にとってはそうはならなかった。

 一度は東急田園都市線の最寄り駅に向かったが、凍えながら運転の再開を待つ人々を横目に、あっさり自宅に引き返し、上司に連絡して在宅勤務に切り替えた。午前11時の定例ミーティングにはパソコンを使って自宅から参加。その日の仕事を予定通りこなすことができた。

「テレワークなら状況に応じて柔軟な働き方ができる。無駄な時間が減りますよね」(女性)

 シスコシステムズは、世界最大手のインターネット関連企業である米シスコの日本法人。ウェブ会議システムなどのITサービスや製品を、企業や大学、病院などに提供している。

 2008年、部署、職種、理由を問わず、全社でテレワークを導入した。執行役員でジャパンマーケテイング本部長の鎌田道子さん(48)も活用し、役員会議にもリモートで参加する。

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