「5番がそのころ得意だったのは『タマ』と呼ばれる合成麻薬MDMA。酒飲んでワーッとなったときにやっていましたね」

 そして、巨人移籍後に自己最多の121打点を挙げた2001年オフの11月、遊び仲間の実業家が、コカイン所持容疑で警視庁麻布署に逮捕された。

「これは5番がゴルフコンペの際に実業家に預けたものです。実業家は調べでも5番の関与についてシラを切り通し、2人の関係はより強固になった。その後5番は、『タマ』だけでなく覚醒剤を『あぶり』で楽しむようになりました」(清原容疑者の知人)

 実業家と清原容疑者を含む数人のクスリ仲間には、同容疑者の先輩格だった強打者もいた。ところが約10年前、実業家と清原の関係が悪化。実業家は「俺が清原の身代わりに出頭した」などと言うようになっていた。

 合成麻薬からコカイン、覚醒剤。前出の調達係は言う。

「ものすごくクスリを欲しがるくせに、いざ準備が整うと『やっぱりアカン』とドタキャンすることが頻繁にあった」

 一方で周囲には、覚醒剤に頼る理由をこう話していた。

「体に入れると不安が消える」

 成績が残せない不安と罪悪感のはざまで揺れ動きながら、薬物への依存度を強めていった。

AERA  2016年2月15日号より抜粋