「みなさん最初はやさしくしてくれますが、自分たちの領域に入ってくるとバッシングしてくる。競争心が激しいというか、彼らにメンターになる余裕はないでしょう。ほかの女性経営者も同じことを言いますね」

 夫には第1子を出産する際に「接待ゴルフはしない約束」をさせた。週末は晶美さんが仕事のため、家事と3人の子の世話をしてきた。だが、デキる男は家庭でも活躍する。夫はゴルフなしで役員になった。

 同じ女性経営者ながら、ベビーシッターや家事代行を斡旋するマザーネット(大阪市淀川区)社長である上田理恵子さんの推しメンはあさの夫・新次郎だ。

「うちは私が起業した当時も現在も夫は単身赴任中。手伝いたくても手伝えないのが現状なんです。あさにとって新次郎はメンターでもあり、子育てや日常生活でのサポーターでもある。子育てと仕事の両立でジレンマを抱えるあさを、今の君が大好きだよと励ました姿にはほれぼれしました」

 新次郎は、同社の顧客である働くママたちにとって「理想の夫」だという。出産からしばらくはママたちもまだ平社員だが、子どもが小中学生くらいになると管理職になる。周囲から「お子さん、もう小学生なんだし手も離れるころでしょ」と言われ、残業も当然の空気になる。

「でも、思春期は子育てが違う意味で大変。新次郎パパは必要なんです」

AERA  2016年2月8日号より抜粋