結婚以来、エリザベス女王(89)は妃のすべてにチェックを入れてきた。将来は完璧な王妃となって王室をもり立ててほしいと力が入った。本来なら義母の役目だが、ダイアナ妃が故人なので自分の仕事と捉えていた。女王はまず妃のウエッジヒールに注文を付けた。妃は復帰後それを避け、公務の場ではハイヒールを履いている。

 女王は強風のせいとはいえ妃のスカートがめくれるハプニングに「みっともない」といらだっていた。女王自身はスカートの裾に“重り”として固めた綿を縫い込み、少々の風では上がらないように工夫する。妃はスタイルへの悪影響を嫌い聞き流してきたが、このところ危険なフレアスカートは避け、ミニスカートならタイトを選ぶそれでも「クイーンズ・コマンド」は終わらない。ついに妃の最後の砦であるヘアにまで及んだ。長く美しい髪は、妃のご自慢だ。婚約発表時はゴージャスなカールが胸の上で揺れていた。しかしすぐに女王から「見苦しい」との注意があった。妃としてはいっぺんに切ってしまうのは負けを認めたようで抵抗があり、昨年7月頃から試行錯誤を重ねて少しずつ詰め、前述のイベント時は最短になった。妃は「“お母さん”っぽくなってしまった」と友人にこぼしている。

AERA  2016年2月1日号より抜粋